痰壷映画ブログ

ネタバレしつつ感想を述べますが、でもそんなにネタバレしてないです。

「昼顔」人生なめとんかこの馬鹿ども。生物学者が不倫すると大体死んで終わる説。

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15点。


「雑なあらすじ」

 

テレビドラマの続編。上戸彩生物学者と不倫する映画です。

夏の川かなんかで不倫相手と楽しく水遊びしたり蛍探したりした結果、

色々あって不倫相手が最終的に車でダイブして死んでしまい、

ラストでは上戸彩が妊娠していることがわかる映画です。

 

「感想・突っ込み・こきおろし」


生物学者のくせに妻から「あたしよりあの人(不倫相手)の何がいいの」と問い詰め

 られて「わかんないよ」じゃねえだろ。体がいいとか雰囲気がいいとか顔がお前より

 好みだとか話がお前より合うとか生物学上似たような遺伝子構造を直観したのでとか

 なんかかんかあるだろうが。「わかんないけどすきー」ってお前幼稚園児か。

・やはり生物学者は不倫もしくは禁断の愛(?)に手を出しがちで、しかもすぐ死ぬ。

 「高校教師」の真田広之しかり本作しかり。

 なにかっつーと生物学者はポエマーな感じ。実際の著書でも生物学者の文章は

 どこか国語めいているというか修辞表現が文学的なニュアンスのものが自然に織り込

 まれている。

 多分小説家に近い心性かもしらん。なので、やはりアウトローというかろくでなしと

 いうか、そういうことに対する抵抗があまりないのも不思議ではない。
 「生物学者≒小説家=すぐ不倫してすぐ死ぬ」という方程式はそこそこ説得力がある

 と思う。

上戸彩EXILEのHIROが好みだってもうわかってるんだからこのなよなよした生物学

 者のことなんか好みなわけねえだろうがと終始突っ込みを入れざるを得ない。

・妻役の人、車で海にダイブして結果的に旦那を即死させたのに、

 割とその後の出番でもしれっとしてる。精神的に病むとかそういう傷心の気配がほと

 んど見られない。ちょっとくらい頭おかしくなれよ。どうなってんだこの女。

・あいのりをもっと劣化させて悪化させた感じ。なんか色々酷い。基本的に全員頭悪そ

 う。
・罪悪感まじでまるでなし。BGMも「青春してまーす」とでも言わんばかりに高揚感全

 開。ひどい。「おたくらのせいで傷つく人間もいるんだからさあ」みたいなことを

 海の家のオーナーにくさされてたが、その通り過ぎて反論も何もない。「不倫楽しん

 でます」っていうより、「お前ら脳みそ足りないの?」

 と言いたくなるような良心の呵責のなさがやばい。葛藤もほとんどない。

 「禁断の愛」でも何でもない。30㎝くらいの定規みたいなハードルをひょいと飛び越

 えて禁断とかぬかすなあほ。不倫とか示談破棄に対する抵抗がほとんどない。あるよ

 うに見せて実のところ皆無。

 多分これ相手に好意があるとかじゃなくて単に「不倫に恋する中年女子」ってだけの

 話なんじゃねえの。

・劇中のキャラが大体不倫か不倫未遂、不倫被害者まみれなのが違和感あり。

 そんなに不倫だの浮気だのが横行してるのか。皆ヒマなんだなあと。セックス以外に

 することねえんだなあと。

 まるで江戸時代だ。それかド田舎の村みたい。娯楽がない。

役所広司黒木瞳の「失楽園」のほうがまだかなりマシ。あれは全編「悪いことして

 それに殉じる」感がまだあった。罪悪感が全編うっすら漂ってたし、それに対する制

 裁もそれなりに対応していた。

 昼顔は「悪いことしてる」っていうより「頭の悪い人たちが馬鹿なことしてる」って

 感じ。

 背徳の高揚も滅んでいく感じも決断も葛藤も何もかもが中途半端。

 メンタルの弱い中高生の「浮気したしない」の話と大差ない。

斎藤工が演じる生物学者の「こいつと一緒にいて何が楽しいの」感がやばい。

 これもまた「高校教師」の真田広之と同じで、真田広之が扮する主人公は婚約者から

 「あなたとのセックスで一度も感じたことがないの」などと正面きって喧嘩を売られ

 て何も言い返せない始末のつまんなキャラ。教え子の桜井幸子真田広之に惚れるの

 もほとんど理由なんかないし。最近こういう男のキャラ多いよな。これならいっそD

 Vでもかましてる奴のほうがはっきりしててまだ見れるんだが。好きとか嫌いとか捨

 てるとか離婚するとか何でもいいからとにかくもっとはっきり喋れ。決断しろ。飛び

 降りろ。生物学者なんだから分類得意のはずだろうが。

 なよなよしすぎててほんと気持ち悪い。戸塚ヨットスクールにでも入学しろ。

・2時間他の作業をしながら鑑賞してたが、何度「なんだこのクソ映画」とつぶやいた

 か知れない。アマゾンプライムで無料でよかった。めぞん一刻を読みながら見聞きし

 ていた時間があったが、

 めぞん一刻は名作です。高橋留美子は面白い。あと範馬刃牙も読んでた時間があった

 があれもやっぱ読めます。学ぶところあります。でも昼顔はクソ映画です。

上戸彩がラストで妊娠してることがわかったってくだり、「あーそうなん」としか思

 わん。「こうやってシングルマザー世帯って量産されてくのかもなー」としか感想が

 ない。

・この後見た窪塚洋介の「狂気の桜」はパンチが利いててよかった。面白かった。

 もうちょい早く見ておけばよかった。

 

あんま褒めるとこないですね。上戸彩が来てる服の色がくすんだ感じでよかったくらいかなあ。濡れ場もそんなにないし。この映画見なくても人生で後悔することはないと思います。マディソン郡の橋でも見ましょう。